黒部の未来を想像し、創造する

「現在の黒部」

富山県黒部市は、長く田んぼを主体とした農業地域として、成功してきた土地だと感じています。
豊富な水と肥沃な土地に支えられ、米作りを中心に、地域の風景と暮らしが形づくられてきました。
一方で近年、農業委員会等の資料を拝見していても、休耕作地の増加が目に見える形で現れてきています。
その背景には、後継者不足や農業従事者の高齢化があることが、資料からも読み取れます。
田んぼは、やめたからといって簡単に元に戻せるものではないようで、水管理が止まり、草が生い茂り、やがては周囲の農地にも影響が及んでしまいます。
休耕作地の問題は、単に一枚の田んぼの話ではなく、地域全体の農業環境に関わる課題なのだと感じさせられました。

「田んぼ主体の地域だからこその難しさ」

黒部市は、もともと畑作よりも水田に適した土地だと思います。
そのため、米作りを前提とした農業技術や設備が長い時間をかけて蓄積され、今もなお、素晴らしい農業環境が残されています。
しかし、担い手が減少する中で、同じ形の農業をそのまま維持し続けることが次第に難しくなってきている事実も見受けられます。

一方で、すべてをやめてしまうのではなく、田んぼを畑へと転換し、作物や営農形態を工夫することで、新しい可能性が生まれる余地も残っています。
畑作への転換は簡単ではありませんが、水はけの調整や作物選び、作業の省力化など、工夫次第で地域に合った形を模索することは、十分に可能ではないかと考えております。

「黒部は、いつまでも黒部」

黒部の魅力は、何よりも自然と水にあると思います。
豊かな山々、雪解け水、澄んだ空気。
こうした環境は、世代が変わっても簡単に失われるものではありません。
今や私自身も、黒部の自然が大好きになってしまいました。

農業にとって有意な土地であることは、10年後、20年後に大きく変わることはないはずです。
問題は「土地が悪くなること」ではなく、「使い続ける人が減ってしまうこと」なのだと思います。
だからこそ、農業の形を少しずつ変えながら、土地と向き合い続ける仕組み作りが大切だと感じています。

「10年後の黒部を思い描く」

10年後、私自身も高齢者と呼ばれる年齢になります。
体力や働き方も、大きく変わってしまうと思います。
それでも、農業が続いている風景を思い描いています。

例えば、農業用ハウスとペロブスカイト太陽光パネルを組み合わせた、エネルギーと農業が共存する形。
作業負担を軽減しながら、持続可能な営農を支える地域の仕組み。
また、ドローンや自動化技術を活用した、これまでとは異なる田んぼの耕作手法も、現実味を帯びてきています。
人手に頼りきらない形で、広い面積を管理できるスマート営農の未来も少しずつ見えてきています。
そして何より、休耕作地をうまく活用した「小さな成功事例」を一つずつ積み重ねていく。
その積み重ねが、次の挑戦を後押しし、地域全体の選択肢が広がる社会に繋がっていくのだと思います。

「次の世代へ引き継ぐために」

農業は、短期間で結果が出るものではありません。
だからこそ、10年という時間軸で考え、今できることを一つずつ積み上げていくことが大切だと肝に銘じております。
黒部の農業は、形を変えながら、世代を越えてまだまだ続いていきます。
新参者ではありますが、強い希望と理想を抱きながら弊社も営農を開始いたします。

最終的には、こうした営農の取り組みを地元の若い方々に引き継いでいただけるようになれば、黒部の未来はより明るくなるはずです。
地域の皆様のご指導・ご鞭撻を賜りながら、試行錯誤を続けていき、非力ながら、弊社も黒部の農家としてその一端を担っていければと考えております。

そして、もう一つ大切なこと。

「楽しく農業をやっていきます!」

関連記事

  1. 青パパイヤという“野菜”の可能性は?

  2. 農地を守ってきた方々への敬意

  3. 森の資源 餌を探す

  4. 土の中の仕組み

  5. 畝の特徴

  6. 畝づくりの道具